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山梨県北杜市を訪問しました 2024年9月

2024.10.10

都市・地域開発グループの平林アドバイザーは、2024年9月9日、山梨県北杜市に出張しました。

山梨県北杜市は、県の北西部に位置し、東京から電車あるいは車に乗り約2時間で到着します。北杜市は2004年11月1日に8町村が合併し誕生しました(うち小淵沢は2006年3月編入合併)。北杜市が誇る名水、その名水が育むブランド米、八ヶ岳や南アルプスに囲まれた自然環境が魅力の一つです。面積は602km2で東京23区とほぼ同じ大きさに、人口約44,000(2020年国勢調査)が住んでいます。北杜市は移住者が多く、2016年以降、転入超過が続いています。北杜市では、さらなる人口増を目指して、様々な取り組みを加速させています。

甲斐駒ヶ岳・鳳凰山 写真:北杜市

八ヶ岳連峰 写真:北杜市

この度、当Gで開始準備を進めているタイ国「持続可能な地域活性化推進能力向上プロジェクト」の、カウンターパート機関であるタイ内務省地方行政局 (DLA)の招へいプログラムを10月に実施することになりました。DLAと協議したうえで、北杜市が同プログラムの視察先の一つとなり、タイとゆかりのある北杜市の複数の視察先関係者も快く対応を引き受けてくださいました。

北杜市の視察先として、特にタイ側から関心が高かったのは、持続可能な観光の取り組み(コミュニティツーリズム、グリーンツーリズムなど)、就農・販売促進事業(移住者の就農支援、地元農業従事者と新規就農者のプラットフォームづくり、農産品の販売促進、人材育成、農福事業)、道の駅事業、高校生と民間企業による商品開発及び若者人材育成事業などです。そこで、この度、視察予定の事業者のうち、株式会社ファーマン井上代表取締役とフードバレー協議会大塚会長を訪問し、タイのプロジェクト及び招へいプログラムの概要説明及び招へい当日の行程について、北杜市未来部政策課、産業観光部商工・食農課関係者とともに、意見交換を行いました。

(株)ファーマン代表取締役井上さんは、埼玉県から山梨県北杜市に移住し、有機農業歴22年。井上さんは、「お金やキャリアに依存せず、自分がヒーローになれるステージを耕したい!」という思いで、様々な「仲間」とともに、農業生産・加工・販売促進、農福連携、企業連携、廃坑利用、観光事業など幅広い事業を推進し、地域を元気にする様々な仕掛けを実現させています。事業への思いを語る井上さんからは、大変興味深いこれからの構想や地域への思いが飛び出し、タイの皆さんとの意見交換が益々楽しみになってきました。

(株)ファーマン 井上代表取締役(写真中央奥)、写真:(株)ファーマン

農業体験会の様子 写真:(株)ファーマン

北杜市フードバレー商談会の様子 写真:フードバレー協議会

いちごハウス機材を説明する大塚フードバレー協議会会長

北杜市フードバレー協議会は、北杜市の農家、宿泊・飲食店など、「農」と「食」に関わる事業者による横断的な地域運営ネットワークを構築するためにつくられた組織です。農家をはじめ多くの事業者が参加し、農業の6次産業化や物流の効率化、新規就農者のサポートなどを行っています。農業でしっかりと生計を立てられる人を増やすため、また、北杜市の農業を発展させて豊かな環境を守っていくために、情報発信やイベントなどさまざまな活動を行っています。

大塚会長もご自身で農業、造園業もしながら、同協会の運営リーダーとして、農産物の販路拡大、農業技術力・経営力の向上、新規就農者支援・育成事業、地域連携の強化、広報活動などの強化推進に尽力しています。

地域事業を先導する井上さん、大塚さんの話は、説得力があり、また今後の展開にも大いなる可能性を感じます。井上さんからは、「タイの皆さんとのつながりから、お互いに学びあい、そして自分たちの取り組みを様々な国に広めていきたい」と熱いメッセージをいただきました。これまで打ち合わせを重ねてきた北杜市の方々からは、「北杜市内の元気のいい事業者皆さんの活動を、ぜひタイの人たちに知ってもらい、新しいつながりができることを願っています」、「当市の事例がタイのパイロット都市に選ばれ、非常にうれしく思う。タイの皆さんの期待に応えられるような事例を紹介したい」、「我々もタイから学ぶことが多々あるのではないかと期待している」といったご意見もいただいています。

 タイ招へいプログラム当日は、北杜市役所職員とFFTビウさんが、全行程にアテンドしてくださるとのありがたいオファーもいただいています。今回、事業者のお二人の話を伺い、また活動現場を視察させていただいた内容をもとに、今後は視察先となる事業者の皆さんと招へいプログラムの具体的な内容について協議をし、同プログラムが両国にとって有益なものとなるよう、準備を進めていきます。






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