タイ王国「持続可能な地域活性化推進能力強化プロジェクト」 ~タイ王国行政官による宮城県東松島市・山梨県北杜市への訪問~ 2024年10月
2024.12.13
2024.12.13
都市・地域開発グループでは、2024年10月28日~11月1日にかけ、これまで準備を進めてきた、タイ王国「持続可能な地域活性化推進能力強化プロジェクト」(以下、「本事業」)のキックオフとして、タイ王国内務省地方自治体振興局(DLA)行政官5名を本邦に招き、地方都市における地域活性化事業の視察・学びを目的とした招へい事業を実施いたしました。
今回の招へいにおいては、宮城県東松島市、山梨県北杜市を訪問しました。観光・農業分野を中心とし、視察や体験、また各関係者との意見交換を行いました。
東松島市
東松島市においては、東日本大震災からの復興まちづくりを学ぶとともに、観光産業と結び付けた地域発展について視察しました。東日本大震災で被害を受けた校舎を改修し設立された宿泊・体験施設KIBOTCHA等を訪問し、タイ側参加者からは、自国でも災害が発生することから、今回の学びを活かしていきたい旨の所感が述べられました。また、同市にて体験した観光プログラム(かご漁等)が印象に残ったとのことであり、実際の体験を通した学びの重要性を確認する機会となりました。
北杜市
北杜市においては、市が取り組んでいる観光・農業事業を中心に視察を行いました。農業分野においては、移住者が取り組む農業ツーリズム、農家間ネットワークの仕組み、スマート農業(農作物栽培管理におけるデジタル技術の活用)等を視察しました。各視察先においては、タイ側参加者から販路や栽培方法等も含め、様々な質問がされ、活発な議論が展開されました。
また、観光分野においては、同市の道の駅こぶちざわや高根クラインガルテンを訪問し、施設の管理運営形態の説明、地元産品や体験プログラムを通して、同市が取り組む事業についての学びを深めました。
最終日には、JICA本部にて、今回の招へい事業の振り返りと今後の協力についての協議を行いました。
タイ側参加者からは、今回訪問した2市が抱える人口減少や高齢化等の問題は、タイと共通する課題であり、本招へいにおいて学んだ内容をタイでも活かしていきたい旨、JICA側へ伝えられました。また、本プロジェクトを通しての日本側自治体とタイ側自治体との連携強化への期待も示されました。
本事業においては、今後も、継続的な研修の実施が予定され、日本とタイ双方向の学び合いの場が設けられます。今回の招へいを通して、タイのキーパーソンたちが日本側自治体の地域活性化取り組み事例を理解し、本事業の目的の解像度がぐんと上がったことで、今後の日タイ双方の学び合いがより充実したものとなることが期待されます。
scroll