農業開発/農村開発
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開発途上国の「食」を支える小規模農家の所得を向上させることで農業をビジネスへ発展させます。
持続的かつ包摂的な農業・農村開発を推進し、農業(水産業・畜産業を含む)及び関連産業(加工・流通業等)を振興します。これによって、農家の所得向上及び農村部の経済の活性化が図られ、農村部の貧困削減を実現するとともに、食料の安定的な生産・供給を通じ食料安全保障を確保を目指します。
貧困・飢餓人口の約80%が農村部で生活し、また貧困層の63%、全世界で5億人が農業に従事しています。農業で生計を立てられること、すなわちビジネスとしての農業を推進することが重要です。また、小規模農家も裨益する包摂的なフードバリューチェーン(FVC)を構築することにより、農村部の経済を活性化し、雇用を創出することが求められています。
世界の食料需要量は2050年には2010年比で1.7倍に増加するとの見通しです。依然として8億人に近い人々が十分な食料を得られず、食料の安全保障に向けた取組の強化が必要です。特に経済力が小さい途上国は国外から食料を輸入することが容易ではなく、国内で一定の食料を生産・供給する体制整備が重要です。また、食料不足のみならず途上国でも食品ロスの問題もあり、これに対する取組が求められています。
途上国にとって水産物は重要な外貨獲得源であり、安価で入手できる動物タンパク源でもあります。一方、気候変動に伴う海洋環境・沿岸生態系の変化に加え、乱獲による水産資源の減少により、その約3割が持続不可能な利用であると言われています。そのため、水産資源の適切な管理・活用が求められています。
また、経済成長と人口増加に伴い、畜産物とその加工品の需要が増加しています。一方、国際貿易の拡大と多様化、人や動物等の移動の迅速化により、動物に由来する新興・再興の感染症の発生・伝播のリスクが高まっており、畜産振興とともに家畜衛生の強化が必要です。
日本は、高度成長期に都市と農村の所得格差が拡大した際の農村部経済の活性化施策の経験があります。また、アフリカで需要が伸びているコメに関する豊富な知見・技術、水産資源の共同管理等有用な知見が多く、これらを活用した支援が可能です。
なお、途上国のFVC構築に対する支援は、食農分野の日本企業の海外事業展開を後押しし、日本の農産物の輸出促進にも資すると考えられます。さらに、安全な食料の輸入先の多角化に繋がり、日本の食料安全保障にも貢献します。
農村部の貧困削減の実現及び食料安全保障の確保に向け、包摂的なFVCの構築、稲作振興、水産資源の管理・活用、畜産振興・家畜衛生強化等に取り組みます。中でも以下の5つのクラスターを多様な協力パートナー等と連携し重点的に推進します。
「作ってから売り先を探す」から「売れるものを作る」に小規模農家の営農マインドを変革し、農業所得を向上することを目指します。具体的には、2030年までに100万世帯以上の小規模農家によるSHEPアプローチによる市場志向型の農業の実践を支援します。
経済発展で食ニーズが多様化しているアジア・中南米地域などを中心に、農作物の生産から加工、流通、消費に至る各段階の付加価値を高めながら、同時に各段階間の付加価値の連鎖を生む包摂的かつ持続的なフードバリューチェーンの構築を目指します。
サブサハラ・アフリカの米生産量を2,800万トンから5,600万トンに倍増することを目指し、サブサハラ・アフリカ32カ国を対象に、気候変動に対応した灌漑開発とコメの品種開発、コメ・ビジネスの促進、コメの品質向上による自国産米の競争層力強化、これらを通じた農家の生計・生活向上に取り組みます。
水産資源・生態系の保全と持続的な利用を通じた沿岸コミュニティの経済の活性化・住民の生計向上の両立を目指します。
具体的には漁村住民組織による主体的な水産資源の管理(コマネジメント)、「里海」の理念に基づく人と自然の共生、水産FVCの構築を推進します。
世界的な感染症の流行を受け、「ワンヘルス」の考え方のもとで、途上国における動物感染症の制御と動物由来食品の安全性の向上に取り組み、人々が安全な畜産物を安定的に生産・消費することのできる世界を目指します。
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